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スポーツ医科学(スポーツを始める前)

喜久生 明男(きくいけ整形外科)

スポーツすることは単なる楽しみ?それとも健康のため?国体で活躍するため?プロになって生活するため?あなたのスポーツの目標によってスポーツは楽しみを見いだし、友人をはぐくみ、健康になることから苦しいトレーニングを自己にかさなければいけないレベルまであります。

どんなレベルのあなたであってもスポーツに関係する医科学の情報を知っておくことは大切なことです。

効果的なトレーニングの方法、けがや故障の予防、起きてしまった場合の復帰に向けた注意などは有益な情報だと思います。
たとえばひざの故障(腰に次いで2番目に多い故障部位)は全故障の約20%を占めます。このひざの障害原因を調査したところ、筋のタイトネスが32.1%アラインメント異常が14.8%、運動量の増加(使い過ぎ)9.9%、動揺性9.9%でした。

筋のタイトネス(硬くなり、柔軟性のなくなった筋肉)は練習、試合後の筋肉疲労や隠れた肉離れの結果ですから、毎日の練習前後の十分なストレッチングにて障害は防ぐことができると予想されます。毎日の自分の体の手入れがいかに大切かを思い知ることができます。アライメント異常(O脚、X脚、Q角異常などの事)は個人の身体特性ですので、間節の動揺性(ゆるみ)同様に整形外科でのチェックを受け、筋力強化や装具、テーピングなどで対応するとよいと思います。運動量の増加による原因は約10%でしたが、このことは運動量の増加に対応できない体力を示しており、選手は基礎体力の強化、指導者は全員が同じ体力でないことを知り、障害の早期発見を心がけることが大切となります。

競技スポーツを目指しているあなたに必要なことはあなたの最大の運動能力を発揮する条件を知ることだと思います。
1.スポーツする環境。これには練習場、指導者、ライバルなどがあります。
2.身体および技術トレーニング。
3.メンタルトレーニング。心と行動を科学することであり、あなたの行動を望ましい方向変
革し、それを習慣づけたり、日常トレーニングの合理化と心の管理を行い、そして集中法の獲得などがあります。
4.栄養(水を含めた)これらの条件は一人ではできないことなので、よき協力者(指導者)にめぐり合うことや自ら求めていくことが大切でしょう。