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スポーツ医科学(理想的なフォーム目指す)

濱 茂樹(スポーツ科学トレーニングセンター)
  理想的なフォームという言葉をよく聞きます。トップ選手のダイナミックなフォームは見ているだけでも感動させられます。そこでフォームを改善するためのポイントについて紹介します。

1.目指すフォームのイメージを持つ
世界のトップ選手のフォームは理想的とされます。しかし、フォームには、手足の長さや骨格の大きさなど形態的要素が含まれます。さらに筋力や筋肉の性質と行った体力的要素が関係します。従って、実際には自分と体つきが似ていて自分より少し上のランクの人の動きを参考にする方がいいでしょう。単なる理想を求めるのはなく、具体的なイメージを持つことが重要だからです。イメージなくしてフォームの改善はありません。

2.客観的にフォームを把握する
目指すフォームのイメージができたら、実際のフォームを客観的に把握します。この手段としてはビデオカメラを利用するのが最もいいでしょう。フォームを見るときは動いている部分に目がいきます。体よりは手や足といった動きが速い先端部分に関心が向けられます。速い動きをとらえるためには特殊な機器が必要になります。スポーツ科学トレーニングセンターではハイスピードカメラによる動作分析を行っています。うまく利用して瞬間のフォームをチェックして下さい。

3.目指すフォームとのギャップを埋める

 フォームの改善には、どの部位に、どの程度、どのタイミングで力を加えたらよいかという事が問題になります。従って私たちが最も知りたいのは、力の入れ具合をどうコントロールするかという筋肉の感覚的な情報になります。撮影された映像は私たちのフォームを第三者的にとらえてくれますが、筋肉に関する情報はありません。そこでフォームを改善するためには目指すフォームの力の入れ具合を読みとることが必要になります。良い指導者は選手のフォームを見る事で選手の力の入れ具合を的確に理解します。そして、筋力を発揮する感覚をうまく選手に伝えることでフォームの改善に結びつけているといえます。これが、目指すフォームとのギャップを埋めるために大切なポイントとなります。


もちろん、フォームをつくるための基礎体力向上も忘れないようにして下さい。