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スポーツ医科学(レジスタンストレーニング)

松岡 敏男(岐阜大学)

 過去にあまり話題に上がらなかった話題として今回はレジスタンストレーニングを取り上げます。
 レジスタンストレーニングとは、局所または全身に抵抗を加え、筋活動力を高めることを目的としたトレーニングです。代表的なものとしてウェイトトレーニングがあります。
 少し前までのウェイトトレーニングはとにかく重いウェイトをあげることに重点をおかれ、重いものをあげることがシンボルのようになり、重い重量をあげることに目的がおかれました。そのために筋力は増加したけれども、実際の競技成績が今一歩伸び悩んだり、また重量を増やすことで無理な重量をかけるために、悪い姿勢やフォームで行うためにケガをするようなことも少なからずありました。
 それにもかかわらず、多くの競技で取り入れられるようになり、記録的にも、技術的にも進歩がみられるようになったのはトレーニング成果です。
 最近は情報の発進により、トレーニングに関するものが多く、選手たちは運動時に使われる筋の種類や、特性を理解し、どこの筋がどのように使われ、使われる筋をどのように筋力トレーニングすれば自分のパフォーマンスが向上することを理解するようになってきました。反面、情報の多寡で新しいトレーニング方法に目移りし、方法の選択に適切さを欠くようにもなりました。トレーニング方法にはさまざまな方法があります。一番大切なことは個人個人の目的を達成するために自分にあったベストの方法を選択することです。
 考え方はいろいろありますが、原則的にはレジスタンスをかけなければ強くなりません。今一番受け入れられやすい考え方はファンクショナル(機能的)的な考え方と思います。要するにできるだけ競技の運動形態に近い方法でトレーニングを行い、出力をアップさせるような方法です。考えてみれば当然のことと思われます。
 器具を用いるもの、使用しないもの、特別な施設を使用するもの、しないもの。最近は器具も新しくなり、機能的になってきました。しかし、高価なウェイトトレーニング機器を使用するだけが方法ではありません。チューブを使用したり、自分でマシーンを工夫するのも方法だと思います。