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スポーツ医科学(科学的トレーニングの必要性)

小倉 新司(スポーツ科学トレーニングセンター)
 現代のスポーツは、経験的な指導だけでは、とうてい勝つことができない競技レベルになっています。
 うまくなりたい、強くなりたい、勝ちたい、常に選手や指導者がトレーニング現場で思っていることです。指導者の勘、経験、またアイデアを駆使したトレーニングが行われています。科学の進歩が著しい現在、トレーニングに利用しない手はなく、科学的な裏付けとなる具体的かつ客観的なデーターを利用することにより、障害を予防しつつ効率的、効果的なトレーニングが可能になります。
 岐阜県では全国に先駆けて科学的なトレーニングの重要性を認識し、スポーツ科学トレーニングセンターを強化拠点とした「日本一づくり」に取り組んでいます。具体的には指導者研修や競技力測定に基づいたトレーニング指導を行っています。
 指導者研修では競技力の3つの側面すなわち
○フィジカルトレーニング
○メンタルトレーニング
○インテレクチュアルトレーニング
により向上するという考え方(ぎふ&バウマントロイカメゾット)に基づいた研修を行っています。
 また競技力測定やトレーニング指導では、4つの領域
@基本測定
A動作分析測定
Bメンタルトレーニング
C体力トレーニング指導
を行っています。競技力測定は、スポーツ選手の競技力を科学的に測定・評価し、その結果をトレーニングに役立てて頂くものです。トレーニング指導は、選手の「心、技、体」についてそれぞれの競技力や特性を評価し、総合的にトレーニング指導を行うものです。
 スポーツ科学トレーニングセンターは、各種の取り組みを始めて5年目に入っています。その間、基本測定では5000余名、メンタルトレーニングでは4500余名、動作分析では200余名の実績を得ることができ、指導者や選手の皆さんにトレーニングの場で成果を上げていただいています。
 先日、スポーツ事情調査ということでドイツにおけるスポーツの取り組みを視察する機会を得ました。
 ドイツにおける組織・施設の見学やそれにかかわる人たちとの懇談により、一層科学的裏付けに基づいたトレーニングの重要性を感じています。